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感染症内科
感染症について
感染症には主にウイルス性、細菌性などがあります。それぞれに急性感染、慢性感染があり、症状も様々です。当院では可能な限り病原体を特定し最適な治療を行います。
当院では発熱外来を設けておりますので、発熱やかぜ症状(せき、鼻水、喉の痛みなど)など新型コロナウイルス感染症が疑われる患者様の診療も行っております。
PCR検査・抗原検査も実施しており、24時間以内に検査結果のお知らせが可能です。陰性証明書の発行もおこなっておりますので、ご相談ください。
また当院では性的接触(性交やオーラルセックスなど)を介して感染していく疾患の総称を性感染症(STD)の診療も行っております。
排尿時や陰部の痛みやかゆみの他に陰部のしこり、水泡などの皮膚疾患まで何でもご相談ください。自覚症状のない性病が近年増えており、当院では早期発見と早期治療にも力を入れており、当日の診断も可能です。
このような症状のときはご相談を
- 発熱が続く
- 咳、鼻水・鼻づまり
- 悪寒
- 全身のだるさ
- 関節痛
- 嘔吐や下痢や腹痛
- 発疹
など
主な感染症
- ウイルス性疾患
- かぜ症候群 口唇ヘルペス 性器ヘルペス 帯状疱疹 伝染性単核球症 ウィルス性肝炎インフルエンザ 新型コロナ感染症 伝染性紅班(パルボウイルス)など
- 細菌性疾患
- 急性胃腸炎(ブドウ球菌 溶連菌 腸管出血性大腸菌 サルモネラ カンピロバクター 腸炎ビブリオなど) 百日咳 破傷風 急性咽頭炎(溶連菌など) 肺結核 非定型抗酸菌症 マイコプラズマ肺炎 性感染症(クラミジア感染 梅毒など)など
単純ヘルペス感染症
単純ヘルペスは、口唇ヘルペス・性器ヘルペス・ヘルペス脳炎・顔面神経麻痺などの原因となるウィルスとして知られています。また、単純ヘルペスウイルスは感染すると人体に終生潜伏し、免疫力が下がる再発症するという特徴も持っています。
単純ヘルペス感染症の治療としては、その時の症状にもよりますが、主に抗ウイルス剤の内服や外用を行います。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウィルスが水痘の治癒後も神経節に潜伏します。免疫低下などの誘因によりそのウィルスが再活性化して、皮膚や粘膜に疼痛を伴う帯状の皮疹(水疱を伴う)を形成するものです。水疱と神経痛が特徴です。治療は主に抗ウィルス薬の内服を行います。
症状はピリピリ、チクチクした痛みや皮膚の違和感から始まり(強い痛みを伴うこともあります)、しばらくすると帯状の水疱になります。水ぶくれは、粟粒大から小豆大くらいの大きさで、片側に生じるのが典型的です。軽い発熱や頭痛、リンパ節の腫れがみられることもあります。
かぜ症候群
かぜは、正式には「風邪症候群」と言い、鼻や喉に不快な症状が出てくる急性炎症の総称です。主にウイルス感染が考えられます。ウイルスが口腔内などから侵入すると、粘膜を通じて炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、痰、発熱などの症状が見られます。治療に関しては、多くの場合、しっかりと栄養を摂り、安静にしていることで快方に向かいます。しかし、「かぜは万病の元」とも言われるように、こじらせると色々な病気に進展することがありますので、たかが風邪と侮らず、症状が気になったら、早めに受診をお勧めします。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。このウイルスに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて普通の風邪と同様に、のどの痛み、鼻みず、せきなどの症状も見られます。
インフルエンザを予防する有効な手段の一つに、流行前のワクチン接種があります。なお、ウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行するので、予防接種も毎年行う必要があります。接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続するため、インフルエンザが例年12月~翌3月頃に流行することを考えると、毎年10月下旬~12月頃に接種するのが適切となります。
新型コロナウイルス感染症
コロナウイルスとは人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。その中で人に感染する「コロナウイルスとして新たに見つかった「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」による感染症です。感染については現時点では飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。症状としては高齢者や心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人では、重症の肺炎を引き起こすことが多いが、20歳から50歳代の人でも呼吸器症状、高熱、下痢、味覚障害等、様々な症状が見られます。当院では待合室を症状のある方、ない方で分けております。検査はPCR検査、抗体検査を行いますが、24時間以内に結果をお知らせいたします。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマという細菌によって起こる肺炎です。若い人に起こることが多く、咳などによって周囲に感染をうつします。主な症状は、発熱・倦怠感・頭痛・咽頭痛・咳・胸痛・息切れなどになります。まれに重症になると意識障害を起こすことがあります。検査で抗体や抗原を調べることはできますが、実際には症状と経過、流行状況を見て診断することも多いです。治療は抗菌薬を用いて行います。
百日咳
百日咳菌に感染して起こる咳の強く出る病気で。子どもに多くみられる疾患で、4種混合ワクチンの定期接種によって患者数は減っていますが、大人になってワクチンの効果が薄れた人に感染する場合があります。主な症状は、咳や鼻水や目の充血ですが、次第に咳が強くなっていきます。血液検査や細菌検査(培養検査・遺伝子検査)を行って診断します。主に抗菌薬を用いて治療します。
性感染症(STD)とは
「STD(性病・性感染症)」とは、性行為により感染する病気のことです。
性感染症は無症状であることも多く、自覚しないあるいは症状が軽く気が付かないということ、あるいは自覚症状があっても医療機関を受診しにくいことがあるなど、正しい治療に結びつかなかったり、感染がいつの間にか他の人へ広がってしまうという大きな問題点があります。主な感染症として性器クラミジア感染症・性器ヘルペスウイルス感染症・尖圭コンジローマ・梅毒・淋菌感染症などがあります。
主な症状としては性器周辺の違和感、痛み、かぶれをはじめ、排尿時の不快感、性交時の痛みなどを伴うケースが多くみられます。感染リスクを高めるような性活動歴が重要になるため、問診で性活動の状態などを聞き、身体診察を実施して、泌尿生殖器や直腸などに病変などが出現していないか確認します。その後、STDを引き起こしている病原体を調べるため、腟や尿道から分泌物などを採取して検査を行います。治療は主に薬の内服や軟膏の塗布など、それぞれに適した治療薬を使用します。
性感染症検査料金
項目 | 検査方法 | 料金(税込) |
---|---|---|
HIV | 血液 | 2,200円 |
梅毒 | 血液 | 2,200円 |
クラミジア 及び 淋病 ※クラミジアと淋病をまとめて検査します |
分泌液(または尿) | 4,400円 |
のど | 4,400円 | |
クラミジア(血液検査) ※およその感染時期を調べることができます |
血液 | 3,300円 |
マイコプラズマ 及び ウレアプラズマ ※マイコプラズマとウレアプラズマをまとめて検査します |
分泌液(または尿) | 4,400円 |
のど | 4,400円 | |
カンジダ | 分泌液(または尿) | 3,300円 |
トリコモナス | 分泌液(または尿) | 3,300円 |
※即日検査の場合は、合計金額に3,000円追加となります。
(ただし、即日検査ができない項目もありますので、個別にご相談ください。)
※その他の性感染症検査につきましては、個別にご相談ください。
梅毒
梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症の一種です。性行為によって感染することがほとんどですが、まれに母子感染や輸血によっても感染する可能性があります。梅毒は早期に発見・治療すれば完治できますが、放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります。
梅毒の症状
梅毒の症状は、感染後の経過時間によって異なります。一般的には、以下の4つの段階に分けられます。
初期段階(1期梅毒) | 感染後数週間で、性器や口の中などに無痛性のしこりやただれができます。これを硬性下疳と呼びます。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。これらの症状は自然に治ることもありますが、治療しないと次の段階に進みます。 |
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中期段階(2期梅毒) | 感染後数か月で、細菌が血液によって全身に広がります。この時期には、手のひらや足の裏などに淡い赤色の発疹が出ることがあります。これを梅毒性バラ疹と呼びます。その他にも発熱や倦怠感、食欲不振や体重減少、脱毛などの全身症状や、肝臓や腎臓などの臓器障害が起こることがあります。発疹などの症状は一時的に消えることもありますが、治療しないと潜伏期間に入ります。 |
潜伏期間 | 自覚症状がなくなりますが、細菌は体内で増殖し続けます。この期間は数年から数十年も続くことがあります。 |
晩期段階(3期梅毒・4期梅毒) | 感染後数年から数十年で、細菌が重要な臓器や神経系に障害を引き起こします。皮膚や筋肉、骨などにゴムのようなしこり(ゴム腫)ができたり、大動脈や心臓弁などの血管系に異常(心血管梅毒)が起こったりします。また、精神障害や認知機能低下などを伴う進行麻痺や歩行障害などを伴う脊髄癆などの神経系障害(神経梅毒)がみられることもあります。 |
妊娠中の女性が梅毒に感染すると、胎児にも感染する可能性があります。これを先天梅毒と呼びます。先天梅毒の場合、流産や死産、新生児死亡のリスクが高くなります。また、生まれてからも皮膚や骨、眼、耳、歯などに異常がみられることがあります。
梅毒の検査
梅毒の診断は、医師による診察と血液検査によって行われます。血液検査には、TP法やSTS法といった種類があります。
梅毒の治療
梅毒の治療には、ペニシリン系の抗生物質が用いられます。ペニシリン系の抗生物質は、細菌の細胞壁を壊して殺菌する効果があります。治療期間は感染の段階や症状によって異なりますが、一般的には2週間から数か月程度です。治療中は定期的に血液検査を受けて効果を確認します。
ペニシリン系の抗生物質にアレルギーがある場合は、他の抗生物質を用いることもあります。ただし、これらの抗生物質はペニシリン系よりも効果が低い場合があるため、注意が必要です。
妊娠中の女性が梅毒に感染した場合は、早期に治療を開始することが重要です。妊娠中でもペニシリン系の抗生物質は安全に使用できます。治療によって胎児への感染を防ぐことができます。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、クラミジアという細菌によって引き起こされる性感染症の一種です。クラミジアは性行為によって感染し、性器や咽頭、目などに炎症を起こします。クラミジア感染症は日本で最も多い性感染症であり、特に若い世代に多くみられます。クラミジア感染症は早期に発見・治療すれば完治できますが、放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります。
クラミジアの原因と感染経路
クラミジア感染症の主な原因は、クラミジア・トラコマチスという細菌です。この細菌は人の細胞に寄生して増殖し、免疫系の攻撃を受けにくい特徴があります。クラミジアは主に性的接触によって体液を介して感染します。腟性交や肛門性交のほか、口腔性交によっても咽頭や性器に感染する可能性があります。また、手やタオルなどで分泌物が付着したまま目をこすると、目にも感染することがあります。妊娠中の女性が感染している場合は、出産時に赤ちゃんにも感染するリスクがあります。
クラミジアの症状と診断
クラミジア感染症の症状は、感染部位や性別によって異なります。また、無症状の場合も多く、気づかずに感染を拡大させることがあります。一般的な症状は以下の通りです。
女性 | 膣分泌物の増加や異臭、不正出血、下腹部の痛みや重だるさなどがみられることがあります。また、子宮頸管や卵管などに慢性的な炎症を起こすことで、子宮外妊娠や不妊の原因となることがあります。 |
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男性 | 尿道からの分泌物や排尿時の痛み、尿道口のかゆみや赤みなどがみられることがあります。また、精巣上体や前立腺などにも感染して炎症を起こすことがあります。 |
咽頭 | 喉の違和感や咳、発声障害などがみられることがあります。また、目や鼻への感染を引き起こすこともあります。 |
クラミジア感染症の診断は、医師による診察と検査によって行われます。検査では、尿や分泌物などから採取した検体を用いて、クラミジアの遺伝子や抗原を検出する方法が一般的です。
クラミジアの治療
クラミジア感染症の治療には、抗生物質が用いられます。治療期間は感染部位や症状によって異なりますが、通常は1週間から2週間程度です。また、性的パートナーにも感染している可能性が高いため、同時に検査・治療を受けることが必要です。
淋菌感染症
淋菌感染症は性感染症の一種で、性行為によって感染することが多いです。淋菌という細菌が体の粘膜に付着して炎症を起こすことで、尿道や子宮頚管、直腸、咽頭などに様々な症状を引き起こします。淋菌感染症は早期に発見して治療すれば完治することができますが、放置すると重篤な合併症や不妊の原因になることもあります。また、自覚症状がない場合もあるため、感染のリスクが高い人は定期的に検査を受けることが大切です。
淋菌感染症の原因
淋菌感染症の原因は淋菌という細菌です。淋菌は人間の体内でしか生きられない細菌で、粘膜や体液を介して感染します。淋菌は性器だけでなく、口や目、肛門などにも感染することがあります。淋菌感染症は主に性行為によって感染するため、性感染症の一種とされます。無防備な性交渉や複数の性的パートナーを持つことは感染の危険因子です。また、妊娠中の女性が感染している場合は、出産時に赤ちゃんに感染する可能性があります。
淋菌感染症の症状
淋菌感染症の症状は男女や感染部位によって異なります。一般的な症状としては以下のようなものがあります。
男性 |
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女性 |
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直腸 |
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咽頭 |
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淋菌感染症は自覚症状がない場合や軽度の場合もあります。特に女性は症状が出にくいため、感染に気づかないまま放置してしまうことが多いです。しかし、淋菌感染症は放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります。
淋菌感染症の合併症
淋菌感染症は早期に治療すれば完治することができますが、放置すると以下のような合併症を引き起こすことがあります。
男性 |
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女性 |
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直腸 |
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咽頭 |
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淋菌感染症は不妊や全身性感染など、生命に関わる合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
淋菌感染症の治療法
淋菌感染症の治療法は抗生物質を用いることです。抗生物質は細菌を殺して感染を除去します。治療期間は感染部位や重症度によって異なりますが、一般的には1週間程度です。治療中は性行為を避けることが必要です。また、性的パートナーも同時に検査・治療を受けることが望ましいです。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性感染症の一種で、性行為によって感染することが多いです。尖圭コンジローマという細菌が性器や肛門などに付着してイボを作ります。尖圭コンジローマは早期に発見して治療すれば完治することができますが、放置するとがんの原因になることもあります。また、自覚症状がない場合もあるため、感染のリスクが高い人は定期的に検査を受けることが大切です。
尖圭コンジローマの原因
尖圭コンジローマの原因はヒトパピローマウイルスです。性器や肛門などの粘膜や体液を介して感染します。尖圭コンジローマは主に性行為によって感染するため、性感染症の一種とされます。無防備な性交渉や複数の性的パートナーを持つことは感染の危険因子です。また、妊娠中の女性が感染している場合は、出産時に赤ちゃんに感染する可能性があります。
尖圭コンジローマの症状
尖圭コンジローマの症状は男女や感染部位によって異なります。一般的な症状としては以下のようなものがあります。
男性 |
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女性 |
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尖圭コンジローマは自覚症状がない場合や軽度の場合もあります。特に女性は症状が出にくいため、感染に気づかないまま放置してしまうことが多いです。しかし、尖圭コンジローマは放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります
尖圭コンジローマの合併症
尖圭コンジローマは早期に治療すれば完治することができますが、放置すると以下のような合併症を引き起こすことがあります。
男性 |
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女性 |
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尖圭コンジローマはがんに移行する可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
尖圭コンジローマの治療法
尖圭コンジローマの治療法は主に外科的治療と薬物治療の2つです。外科的治療はイボを切除する方法で、液体窒素で凍結したり、電気メスで焼き切ったり、レーザーで蒸散したりします。薬物治療はイボを塗り薬で治す方法で、イミキモドクリームや酢酸やポドフィリンなどが使われます。治療法はイボの部位や大きさや数によって選択されます。治療中は性行為を避ける必要があります。当院では主に薬物治療を行います。
尖圭コンジローマは再発しやすい性質を持っています。そのため、治療後も定期的に経過を見る必要があります。また、予防法を実践して再感染を防ぐことも大切です。
ケジラミ症
ケジラミ症とは、陰毛や体毛に寄生する吸血性の昆虫であるケジラミによって引き起こされる感染症です。ケジラミはカニに似た形をしており、体長は約1.5~2mmです。ケジラミは陰毛や体毛を強力な爪で掴んで移動し、皮膚に口器を刺して血液を吸います。ケジラミの寄生によって、かゆみや皮膚の炎症などの症状が出ることがあります。ケジラミ症は性感染症の一種とされており、主な感染経路は性行為ですが、寝具やタオルなどを介して間接的に感染することもあります。
ケジラミ症の症状
ケジラミ症の主な症状は、寄生部位のかゆみです。かゆみは感染から約1~2ヶ月後に自覚するようになります。かゆみが強い場合は、掻きすぎて傷つけたり、二次感染を起こしたりすることもあります。また、ケジラミやその卵が陰毛や体毛に付着していることが目視できる場合もあります。ケジラミは淡褐色で半透明で、卵は長楕円形で白っぽい色をしています。ケジラミやその卵は、濃い色の下着やタオルなどにも付着することがあるので、注意が必要です。
ケジラミ症の治療方法
ケジラミ症の治療方法には、以下の2種類があります。
毛を剃る方法 | 感染部位の毛を剃ることで、ケジラミやその卵を除去することができます。この方法は費用がかからず確実ですが、陰毛以外の部位にも感染している場合は適用できません。 |
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薬剤を使う方法 | ケジラミ治療薬を患部に塗布することで、ケジラミを駆除することができます。この方法は広範囲に対応できますが、薬剤の効果が弱い場合や卵に効果がない場合もあるので、数回繰り返し使用する必要があります。 |
いずれの方法でも、感染者だけでなくパートナーや家族も同時に治療する必要があります。また、衣類や寝具などもアイロンやドライクリーニングなどで清潔にする必要があります。
トリコモナス感染症
トリコモナス感染症とは、性交渉によって感染する性感染症の一種です。原因はトリコモナスという微生物で、女性の腟や男性の尿道などに寄生します。トリコモナスは鞭毛という毛状の突起を持っており、それを動かして移動します。このため、顕微鏡で見ると泳いでいるように見えます。
トリコモナス感染症の症状
トリコモナス感染症は、男性よりも女性に多く見られます。男性では、ほとんど無症状であることが多いですが、以下のような症状が出ることもあります。
女性 |
|
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男性 |
|
トリコモナス感染症は、他の性感染症と同時にかかっていることもあります。また、トリコモナス感染症になると、HIVや子宮頸がんなどのリスクが高まることもあります。そのため、早めに検査を受けて治療することが大切です。
トリコモナス感染症の検査と治療
主な検査方法は以下の通りです。
- 女性は腟から分泌物を採取し、顕微鏡で調べます。また、分泌物のpH値や臭気をチェックをします。
男性は尿道から分泌物を採取し、培養します。また、尿からも検査を行います。 - 両者ともに、他の性感染症(淋菌やクラミジアなど)の検査も同時に行います。
- 検査結果が陽性であれば、抗生物質のメトロニダゾールやチニダゾールを服用して治療します。治療中はアルコールを避けてください。
また、セックスパートナーも同時に検査と治療を受けてください。
治療後は再検査を行って完治を確認します。
HIV感染症
HIV感染症とは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスに感染することで起こる病気です。HIVは、体の免疫系を司る白血球の一種であるCD4陽性リンパ球を破壊し、感染症やがんに対する体の防御力を低下させます。HIV感染症は、未治療の場合にはエイズ(後天性免疫不全症候群)という重篤な状態に進行する可能性があります。
HIV感染症の原因と感染経路
HIV感染症の原因は、HIVというレトロウイルスです。レトロウイルスとは、RNAを遺伝物質として持つウイルスで、人や動物の細胞に侵入すると、自分のRNAからDNAのコピーを作り、細胞のDNAに組み込んで増殖します。HIVは、このようにして人のCD4陽性リンパ球に侵入し、細胞を壊してウイルスを増やします。
HIVは、主に以下の3つの経路で感染します。
性行為による感染 | HIVは、精液や膣分泌液などの体液に含まれており、性器や肛門、口などの粘膜から体内に入ることで感染します。コンドームを正しく使用することで感染リスクを低減できます。 |
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血液感染 | HIVは、血液に含まれており、注射器や針などの道具を共用したり、輸血や移植などで汚染された血液製剤や臓器を受けたりすることで感染します。日本では、医療機関では使い捨ての注射器や針が使用されており、血液製剤や臓器も厳格な検査が行われているため、血液感染のリスクは非常に低いと言えます。 |
母子感染 | HIVは、妊娠中や出産時に母親から胎児や新生児に移ることがあります。また、母乳にもHIVが含まれており、授乳によっても感染する可能性があります。日本では、妊婦へのHIV検査が推奨されており、陽性であった場合には抗HIV薬の投与や帝王切開分娩などの対策が行われます。これらの対策によって母子感染のリスクは大幅に減少します。 |
HIV感染症は、以下の3つの段階に分けられます。
感染初期 (急性期) |
HIVに感染してから2~4週間後に発熱や頭痛などインフルエンザ様症状が現れることがあります。この時期はウイルス量が急激に増加し、他人への感染力も高くなります。しかし、多くの人はこの時期を無症候期と勘違いしてしまいます。 |
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無症候期 (慢性安定期) |
感染初期の症状が治まった後は、数年から10年以上にわたって症状が出ない期間が続きます。この時期はウイルス量が安定していますが、免疫系は徐々に損傷されていきます。この時期にHIV検査を受けて陽性と分かれば、抗HIV薬の治療を開始することでエイズの発症を遅らせることができます。 |
エイズ発症期 | 免疫力が低下した結果、普通は感染しないような細菌やウイルスなどに感染したり、がんなどの合併症が起こったりすることでエイズと診断されます。エイズになると、発熱や体重減少、下痢やリンパ節の腫れなどの全身症状や、肺炎や結核などの呼吸器症状、カンジダやヘルペスなどの口腔・消化器症状、髄膜炎や認知障害などの神経系症状、カポジ肉腫やリンパ腫などの腫瘍性症状などが現れます。 |
HIV感染症の診断は、HIVの抗体とウイルス量を調べる血液検査によって行われます。HIV感染者は、自分のウイルス量や免疫力を知るために定期的に検査を受ける必要があります。HIV検査は、医療機関や保健所などで受けることができます。
HIV感染症の治療と予後
HIV感染症の治療は、抗HIV薬(抗レトロウイルス薬)と呼ばれる薬を服用することです。抗HIV薬は、ウイルスの増殖を防ぎ、免疫力の低下を食い止める効果があります。抗HIV薬は、2種類以上の異なる作用機序を持つ薬を組み合わせて使用します。これをHAART(高度活性抗レトロウイルス治療)と呼びます。
抗HIV薬は、HIV感染者に対して一生涯服用する必要があります。また、毎日決まった時間に正確に服用することが重要です。服用忘れや中断すると、ウイルス量が増加したり、耐性ウイルスが出現したりする可能性があります。抗HIV薬には副作用もありますので、医師や薬剤師と相談しながら治療を進めてください。
03-6626-6165
- 院 長
- 高橋 基文
- 診療内容
- 内科 整形外科 感染症内科 泌尿器科
- 住 所
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〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-25-6 ホリウチビル8F
(1Fにスターバックスコーヒー 渋谷文化村通り店のビル) - アクセス
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当院より徒歩1分の近隣有料駐車場をご利用ください。
【タイムズ道玄坂】
住所:東京都渋谷区道玄坂2-25
利用料金:30分 400円